#猫額の手帖063
土鍋でお粥を作っているときの湯気は、妖精に好まれる。お米のやわらかい香りと溶き卵が合わさると、それはもう多くの歓喜が聞こえる。美味しい食べものは皆を幸せにするのだ。たまに換気扇の下の取り合いになり、ガスコンロのまわりで喧嘩が起こるのは、危ないのでやめてほしい。 #猫額の手帖 pic.twitter.com/nigwNbq2gy
— つん (@nekobitainote) 2018年1月23日
#猫額の手帖062
昨晩から気温は下がり、とうとう雪になった。東京に雪が降るのは珍しい反面、降りだすと交通網のマヒを引き起こし、大変な騒ぎになる。待つのも待たされるのも、得意ではない。ココアはすっかり冷めて、私の心もやさぐれかけている。早く会いたい。二人で寄り添ってぬくもりたい。 #猫額の手帖 pic.twitter.com/1spZ8IYIK0
— つん (@nekobitainote) 2018年1月22日
#twnvday 1月14日
ドーナツにはなぜ穴があいているのか。二杯目のカフェオレを注いでもらい、他愛ない疑問で時間をつぶす。そろそろ閉店時間が迫っていた。隠し事をしている恋人のそっけなさが嫌だ。今日こそは問い詰めてやろう。入り口に見慣れたスーツ姿を見つけ、構えたドーナツで照準を合わせる。 #twnvday
— つん (@nekobitainote) 2018年1月13日
ジュエリーショップを飛び出して、駅前のミスタードーナツへ向かう。会社帰りに散々悩み続け、ようやく決めた。サプライズが苦手な僕のそっけない態度に、あきれているだろう。それでも待っていてくれる恋人に甘えていた。今日こそ誓おう。ドーナツの穴からこちらを覗く愛しい人へ。 #twnvday
— つん (@nekobitainote) 2018年1月13日
顔がよく見えないように部屋を薄暗くした。恋人との定期連絡であるビデオ通話も、これで誤魔化せる。スケジュール帳にはうかれた花丸が赤ペンで書かれており、私が明日をどれだけ楽しみにしていたのかがわかる。でも、もうおしまい。精一杯の笑顔を見せたら、錠剤とウイスキーを飲み干そう。 #twnvday
— つん (@nekobitainote) 2018年1月14日
「とても好きです!」と言うにはなれなれしい。こっそりと「いいね」を押しても、その程度の応援なのかと思われるかもしれない。でも、あなたの文章が、物語が好きだから、たくさんの人に読んでもらいたい。言葉で伝えられない私は、せめてこの思いが廻るように、リツイートボタンを押した。 #twnvday
— つん (@nekobitainote) 2018年1月14日
#猫額の手帖061
自分の中で溜まっていく、どろりとした黒くて汚い気持ち。妖精は敏感に悟る。
— つん (@nekobitainote) 2018年1月21日
善きものは癒しを与える。
悪いものは虚ろへ引きずり込む。
いつまでも記憶に繋がれて、痛みを鮮明に思い出しては、何が正しかったのか問いかける。答えは出るはずがなく、外れない鎖は今日も重たいまま。 #猫額の手帖 pic.twitter.com/G69KDDDpQ4
#猫額の手帖060
現実からは逃げられない。どんなに笑っていても、どんなに幸せでも、私の心に黒いものが寄り添って離れない。これは悪魔なのかと問いかけた。けれど返事はなく、それよりもたちが悪いことだけしかわからなかった。私が負けないように、私はへらへら笑え。最後まで生きてやるんだ。 #猫額の手帖 pic.twitter.com/hBl6Oo9fab
— つん (@nekobitainote) 2018年1月20日
#猫額の手帖059
同居人との暮らしにはルールがある。
— つん (@nekobitainote) 2018年1月19日
「楽しくご飯を食べること」
喧嘩しても、怒っても、悲しくても、ふたりでいただきますを言うときには、笑っていようと決めた。すぐ機嫌が悪くなる私に手を焼いていた彼は、根気強くそばに居てくれた。どれほどの感謝も足りない。ご飯を作ろう。 #猫額の手帖 pic.twitter.com/MnPxOZChkt
#猫額の手帖058
昨日降った雨のおかげで、久しぶりに湿度のある空気を吸う。少しだけ地面に日が射すと、妖精たちが楽しそうに泳ぎだす。新しい大気は彼らの力の源泉だ。ゆるやかなメロディーに乗り光が近づく。そっと手を引かれる感覚がして、慌てて歩き出す。誘われてはいけない。帰れなくなる。 #猫額の手帖 pic.twitter.com/EBHwYiKMCc
— つん (@nekobitainote) 2018年1月18日