猫額の手帖

猫の額ほどの小さな物語を紡いでいます。

ヘアドネーションってなんだろう

冷たい雨がやむと、春になります。
新しい生活、新しい友人。
心機一転、髪を切ろうと思い立つ人は多いのではないでしょうか。

最近の女性誌はボブやベリーショートを特集しているページもあります。そのとき、ちょっとだけ考えてみてほしいのです。

「ヘアドネーション

という言葉をご存じでしょうか。病気などの理由から、ウィッグを必要としている子どもたちにその原料となる毛髪を、指定のサロン(美容院)にてカットして提供することです。それぞれの活動団体によって選別や加工をした後に、ウィッグとして子どもたちに届けられます。

一人分のウィッグを作るためには何人かの髪を混合する必要があります。また、セミロングやロングヘアーを希望する子どももいます。髪をアップにして、好きなアクセサリーをつけて、学校で友達とおしゃべりをする。そんな笑顔のために私たちに出来ることがあります。

サロンによって指定の長さは変わってきますが、31cm確保できればヘアドネーションとして髪を提供することが出来ます。対応サロンはネット検索で見つかります。自分がいま通っているところでも対応しているか、問い合わせてみるのが安心です。ヘアドネーションにかかる費用は実費、もしくはサロンによってサービスが変わりますので、そちらも合わせてお問い合わせください。

サロンが協力している団体によって、受け付けている髪の長さが違います。自分で切って送ることも出来ますが、長さが違った場合、残念ながら破棄されてしまいます。そういったトラブルを防ぐためにも、事前の確認は電話やメールなどで必ず行ってから、サロンへ足を運んでください。

人助けでも偽善でもボランティアでもなくて、あなたの笑顔が誰かの笑顔に繋がる。たったそれだけの幸せのおすそわけをしてみませんか。

f:id:nekobitainote:20180321172838j:plain
↑切る前

f:id:nekobitainote:20180321172849j:plain
↑切った髪

f:id:nekobitainote:20180321172900j:plain
↑すっきりした私

ヘアドネーションをしてきました

ヘアドネーションをしてきました

ヘアドネーションとは↓
ヘアドネーションってなんだろう - 猫額の手帖


元々、セミロングを維持していた長さがありましたが、1年前からヘアドネーションをするために長さをそろえ、髪のメンテナンスをしてきました。対応サロンであることを確認してから通い始めたので、ようやくといったところです。

事前の予約の際にヘアドネーションであることを伝え、来店。美容院が行うヘアドネーションに利益はなく、送料などの負担がかかっているそうです。髪を切ったあとの髪型を決めて、束ごとに分けられます。髪の長さは31~40cmでとることができました。

f:id:nekobitainote:20180321172400j:plain
↑これが

f:id:nekobitainote:20180321172430j:plain
↑こうなった

「ご自分で切られますか?」
提案していただき、最初の1束を自分で切りました。朝まで背中に伸びていたものが目の前に横たわる。不思議な距離を感じました。その後は担当美容師さんにおまかせ。雑誌を見ながら「こんな感じでお願いします」とだけ伝えました。ヘアドネーションは流行りつつあるものの、同時にトラブルを抱えることもあり、自己判断よりもサロン(美容院)で相談、カウンセリングをしてから、提供をしてほしいとのことでした。

ヘアドネーション団体との提携サロンは増えてきていますが、その手間やコストから、爆発的に増えるようなものではありません。TwitterInstagramなどで話題になり、興味を持った人たちが自分で調べてサロンに来店するまでにも、時間や手間がかかります。ですが、その手間隙を私たちがクリアすることで、ウィッグを必要としている人たちの笑顔に繋がります。

その美しい髪を切る前に、ヘアドネーションに興味を持ってみてください(*^^*)

f:id:nekobitainote:20180321173018j:plain

これからまた伸ばしていきます(*´▽`*)

#twnvday 3月14日

#twnvday 2月14日

#Twitter300字ss 第39回「試す」

#Twitter300字ss 第39回「試す」
2回目の参加です。
#猫額の手帖 と同じ世界の妖精が出てくるお話です。よろしくお願いします。

 

『リボン』
ジャンル・オリジナル
http://nekobitainote.hatenablog.com/entry/0203tw300ss01

 

『試しの行為』
ジャンル・オリジナル
http://nekobitainote.hatenablog.com/entry/0203tw300ss02

『試しの行為』

 銀のスプーンが綺麗に磨かれた横で、木くずを入れられたホットミルクが冷めていく。我が家には先日からコボルトという妖精がいる。ブラウニーやシルキーと比べいたずら好きで、ひとつ良いことをしてひとつ迷惑なことをする。叱るべきかわからず悩んでいると、張り詰めた空気に変わる。
(裏切り者)
 幻聴だ。足早に和室へ行くと伏せてあるはずの遺影と目が合う。
「きしし」
 笑い声が聞こえ、低い口調で返した。
「あなたとは共生できない」
 子供の癇癪のようにどたどたと足を踏み鳴らす。どこまでなら許されるか試したのだろう。がしゃんっ、と窓が開いて冷たい風が部屋へ押し寄せる。悪意の前で笑える私はもう居ない。身震いをしながら呼吸を整えた。

『リボン』

「これ、試着してもいいかしら」
 梱包をといた後の紫色のリボンを見つけて、小さな妖精が問いかけてきた。猫じゃらしになるだけなので了承すると、くるりと回り体に巻き付けていく。妖艶で美しい。スマートフォンのカメラを構えたくなるが、そもそも写らないのだと自分をなだめる。
「とてもお似合いですよ」
 微笑みかけると彼女は嬉しそうに踊り始める。指先までなめらかにしならせると、ほのかな芳香が広がる。スミレだ。昨今の寒さに肩をすくめすぎて、慢性化していた頭痛が和らぐ。思いがけず恩恵を受けたので、素敵なリボンはそのまま持っていってもらうことにした。
 春が近づいて、花の妖精が動き始める。賑やかな季節を迎える準備をしようか。